気持ちの伝わるLINEスタンプ作成講座 〜中二インターン×千葉県船橋市立中学校 LINE編〜

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中二インターン3日目は、いまや誰もが知るコミュニケーションサービスを展開するLINEです。登壇してくださったのは、一般財団法人LINEみらい財団 事業推進部 部長・西尾さん。「気持ちの伝わるLINEスタンプ作成講座」と題して、自分なりの表現で「ごめん」という感情を伝えるLINEスタンプを作成しました。

前半:“楽しいコミュニケーション”を考えよう

まずは西尾さんから、LINEが作られたいきさつについて教えていただきました。日本国内の「生活インフラ」として根付いているLINEですが、実は東日本大震災をきっかけに人々のホットラインとして作られたことはあまり知られていません。

西尾:人と人がつながれるようにという思いから生まれたのがLINEというサービスです。『既読』という機能も、災害時に送ったメッセージを相手が読める状況にあるということが分かるんじゃないか、という思いで作られています。

そんな理念を持つLINEですが、サービスリリース後まもなくして「LINEいじめ」が社会問題となったことをきっかけに、健全なネット利用を啓発する講演活動や出張授業にも力を入れはじめたそうです。

ここで、その出張授業の教材の中から、中学生にある質問をしていただきました。

西尾:学校で実施したテストが、いよいよ先生から返ってきたとします。あなたの点数は86点、友達のコニーの点数は79点でした。コニーがテストの準備を頑張っていたことを知っているあなたは、コニーに対してなんと声をかけますか?(※資料1)

資料1

中学生からは「どんまい」「前回40点だったんだから、めちゃくちゃ上がってるじゃん!」といった、コニーを励ます回答が聞かれます。

西尾:みなさんが言ってくれたとおり、コミュニケーションは常日頃『自分がこう言ったらこうなるんじゃないか』と予想した上で成立しているんですよね。もし79点だったことに友達が喜んでいた場合には、かける言葉も変わると思います。相手の表情や状況がわかるだけで、相手にかける言葉を考えやすくなるんです。

そうしたコミュニケーションの予想を少しでもしやすくするため、文字では伝達しにくい感情を相手に伝える「ボディランゲージ」として発案されたのが、みなさんご存じのLINEスタンプです。

日常使っているサービスだけあって、中学生たちの話を聞く姿勢も一段と前のめりです。LINEスタンプの誕生について知れたところで、いよいよ実際に作成に取り掛かります。

後半:気持ちの伝わるLINEスタンプを作成してみよう

みんなのスタンプをひと目見ようと、ここから若新さんも参加しました。

今回テーマにする気持ちは「ごめん」。より非言語コミュニケーションを意識したスタンプにするため、3つのルールを設定しました。

● 文字は使わずに表現する
● 「ごめん」の本気度を意識する【1 本当に申し訳ない気持ち、2 軽い(マナー等)気持ち、3 ちょっとバカにした気持ち】
● スタンプを使うタイミングやシチュエーションをイメージする

中学生はさまざまな表現で自分なりのスタンプを描いていきます。

書き終わったあと、発表してもらうスタンプを先生方にピックアップいただきましたが、どれにしようか最後まで迷っている様子。今回は絵のうまい・へた、みんなが好きかどうかは関係ありません。どんなイラストで、どんな「ごめん」を伝えるのか、その意図や着眼点の差を、みんなでおもしろがります。

各発表の前には、そのスタンプが『1 本当に申し訳ない気持ち』『2 軽い(マナー等)気持ち』『3ちょっとバカにした気持ち』のうちどれか、周りの生徒が予想するというクイズも行い、大いに盛り上がりました。

発表の一部をご紹介します。

◎河合さん

本気度は『2 軽い(マナー等)気持ち』で、言葉にすると「すみま1000円」です。

若新:このスタンプそのものがバカにしているかどうかというより、使う場面がいろいろあるスタンプですよね。僕は日常生活でもよく謝るので、もう明日からでもこれ使いたいです(笑)

西尾:どのLINEスタンプを使うかは、送る相手が目上の人なのか、友達なのか、そもそも相手との人間関係で変わってくるので、みんなも送る人との関係性を考えると、使うスタンプが変わってくるんじゃないかと思いますね。

◎宇佐美さん

本気度は『2 ちょっとバカにした気持ち』なんですけど、そのあとに付け足す言葉によって変わります。例えば、家族に頼まれたことをやらないでいたときに怒られないように「土下座するから許して」と送るとちょっとバカにした感じになります。「まじでごめん。(まる)」みたいに送ると、すごく謝っている感じになると思います。

若新:LINEがスタンプとともに発展してきたということは、言葉だけでは説明できないいろんな表情・感情で伝えてきたということだと思うんですよね。“謝っているのに親指を立てている”って、絶妙な表情ですよね。頼まれていたことを「ごめんごめん、いまやるから大丈夫!」みたいな。

中学生って、親との関係も、先輩や後輩との関係も複雑になってきて、ちょうどこの辺の気持ちをどうやったら伝わるんだろうって工夫して生きてるんだなって感じましたね。

◎小野さん

本気度は『2 軽い(マナー等)気持ち』。日常の場面で使うイメージです。「お前、プリン食っただろ?」「掃除当番忘れただろ」に対して「ごめんなさいっ!」という感じです。

若新:これがパッと出てくるってことは、普段から「ごめん」って言うときに、どれくらいの気持ちで言うのが適切なのかを、みんな悩んで考えて生活してるんだろうなって感じましたね。“涙が海になる”っていうありえない状況なので、こういうシチュエーションに出くわしてないと、このスタンプは出てこなかったんだなと思いますね。

西尾:100人の方に「ごめん」のスタンプを描いてくださいと言っても、この世界観ってたぶんそんなに出てこないと思うんです。でも100人の方にこのイラストを見せて「言葉にするとなんですか?」って聞くと、「ごめん」っていう言葉が出てくるのかなと思うんですよね。小野さんに説明いただいたときにクラスのみなさんも沸いていましたけど、この世界観が、このスタンプを送った相手にうまく伝わりそうな気がしました。

スタンプでしか表せないような絶妙な表現ばかりで、中学生たちが普段から複雑な感情と向き合っていることがわかりました。

最後に

そして最後に、西尾さんと若新さんから、このスタンプ作りを通しての総括をいただきました。

西尾:インターネットだと相手の表情や雰囲気がわかりづらいので、相手がイヤがっていることにも気づきにくいし、イヤな言葉も人によって違うんです。なので、ネット上のコミュニケーションは、対面以上に「相手がどう感じるか・相手にどう受け取られるか」を想像することが必要だということを、今日の授業を通して感じてもらえたらうれしいです。

若新:中二インターンで一番みなさんに感じてもらいたいのは「正解があるわけではない」ということなんですよね。これが、みなさんがこれから生きていく社会の難しいところで、それが何かって言うと、“世の中に出してみないとわからない”ということだと思うんですよね。

へこむこともあるかもしれないけど、ちょっと勇気を出して、周りの反応を見て、それに慣れていく。そういうことを少しずつやった人が自分らしい働き方ができる、ってことなのかなと思いました。

それに、みんなの世代のほうが悩んでいることが進んでいると思うんですよね。社会人の中には「謝るときにスタンプ送ってくるんかい」って感じる人もいると思うんです。でもいまはこういう時代なので、僕も、若い世代がガチで謝るときにスタンプを送ってきても「これは本気で謝ってるんだ」ってわかっていかなきゃいけないと思うし、みなさんも常に「自分のほうが人間として最新バージョンなんだ」と思って生きていってほしいと思いますね。

次回は、『かいけつゾロリ』や『おしりたんてい』でおなじみのポプラ社です。「大人の知らない自分の世界を本にする」をテーマに、中学生が出版社の社員となって“企画会議”に臨みます。

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