自分さがしの旅のはじまり 〜中二インターン×千葉県船橋市立中学校 リクルートキャリア編〜
中二インターン5日目、社会の重要テーマである雇用の課題に挑み続けるリクルートキャリアが実施したのは、「自分さがしの旅のはじまり」と題した、自分のいろんな側面を知るためのサイコロワークショップ。
自分の特徴を「自分」に見立てた立体図の側面に書き込んでいき、クラスメイトとシェアすることで、“人は多面的であり、みんなそれぞれ価値観がある”ということを、楽しみながら理解するという内容でした。
冒頭、同社の紹介のあと、ご登壇いただくみなさんに自己紹介をしていただきました。今回は、高さん、山本さん、西堀さん、真名子さん、小笠原さん、福嶋さんの計6名で、過去のプログラムを通して最多人数です。それぞれ個性的な皆さんとのやり取りを通して、中学生たちがどんな反応をしていくのか楽しみです。
アイスブレイク:夢中ポーカー
まずは、緊張をときほぐすためのアイスブレイクとして「夢中ポーカー」というゲームを行いました。内容は他人が夢中になっていることを、まるで自分が夢中になっているように話し、それを周りの人がその人の夢中なのか・ほかの誰かの夢中なのか当てるというもの。チームビルディングや組織開発のシーンで行われるゲームです。
(参照元:https://note.com/asusync1230/n/n28b9b47a5310)
リクルートキャリアの皆さんにやり方を実演いただいたあと、さっそく中学生たちが挑戦しました。開始直後からどの教室にも大爆笑が起こります。中学生たちは、これまでのインターンを経て環境に慣れてきたということもあり、だいぶリラックスしている様子です。
「ゲームをやってみて、感じたことがみんなそれぞれ違ったんじゃないかと思うんですね。自分の夢中になっていることがすぐに浮かばなかったり、1つに絞れなかったりすることもあったと思います。」
このあとは「自分はなんでそう思うんだろう」ということについて、サイコロのワークショップを通して考えていきます。
前半:ヒトは何面体? “自分立体図”をつくる
「ヒトは、何面体だと思いますか?
実は『何面体もある』が正解です。人間にはいろんな側面があって、それぞれがたくさんの面を持っています。」
この質問から、いよいよメインである“自分さがしの旅”が始まりました。
「あなたが、誰がなんと言おうと好きだと思うことはなんですか?」
「これだけは許せない! ありえねー! むかつくー! と思うことは?」
「大変だったけどよく頑張ったなー! と思う体験はなんですか?」
など、11個の質問が用意され、中学生たちは、その答えを配られた“自分立体図”の展開図の側面に書き込んでいきました。回答する中で「なぜそう思うのか」についても掘り下げ、自分がどんな人間なのか自問自答していきます。
「みなさんにお伝えしておきたいことがあって、まず1つ目に、難しく考えずに自分自身の素直な気持ちや感覚を大事にしてください。
2つ目は、他者との比較もしないでください。他の人が何を書いているかは気にする必要がないので、周りを見ないほうがいいと思います。
最後に、『正しい』も『間違い』はありません。良い・悪い、高い・低いといったこともないです。自分が思ったことを、素直に書いてみてください。」
「夢中ポーカー」のときとは打って変わって、黙々と作業を進めます。中学生にとっては非日常的な「自分と向き合う」という体験に、みんな真剣な表情で取り組みました。
みんなが一通りサイコロを作り終わったところで、いったん休憩です。中学生に感想を聞いてみると、
「これまで考えたことがないことでも意外とスラスラ書けました。」
「自分が思っていることをめっちゃ書いたら、アニメのことしかなくて、ほかに書くことがなかったです。」
など、一人ひとりの発見もさまざま。
「答えはいろいろあっていいですし、答えるのに困った質問もあれば、逆に『あれもこれも書きたい』という質問もあったと思います。その全部を大事にしてほしいんですよね。難しい質問も答えやすい質問も、人によってさまざまなはずなんです。」
生徒のサイコロを見回すと、どれも味わい深いものばかりです。
後半:“自分立体図”についてペアインタビュー
続いて、先ほど作ったサイコロを今度は隣の人とペアになって見せ合い、相手のサイコロの「最も気になった面」「最も意外だった面」についてお互いに質問をしました。
「相手の回答を否定せず、『ほうほう』とリアクションして聞いてみてください。相手と自分の思っていることが違う場合、それをぜひ味わって聞いてみてほしいですし、相手がなんでそう感じるのかについて興味を持って聞いてほしいなと思います。」
自分の隣の人は、必ずしも普段から仲の良いクラスメイトというわけではありません。それでもみんな話に熱中し、制限時間を過ぎても話が止まりませんでした。自分や相手を理解することそのものに、なにか大きな喜びを感じているように思えました。
ここでも中学生の感想を聞いてみると、
「ほかの人の意外な一面や、逆にほかの人から見た自分の一面を知ることができた」
「一人ひとりの価値観や感じ方、考え方を知れた」
「みんなのサイコロが全然違っておもしろかった」
「すごく頭を使った」
など、生徒たちのやりきった顔が印象的でした。
ここでワーク終了と思いきや、実はこのサイコロにはもう1つ仕掛けがありました。
「11個の質問があったんですが、実は大きく分けて、好き・嫌い・得意・不得意というように、自分のことをまんべんなく表せるように分類されています。
さらにこのサイコロは、『強み』と『弱み』が面の表裏になるように作られているんです。たとえば『臆病』や『怖がり』という特徴は、『慎重』や『ていねい』と言い換えることもできると思うんですね。なので、『強みと弱み=表と裏』を常にひっくり返して考えると、自分のことがよく見えてくると思います。」
中学生の時点で『全部の面を見つけないと』と思わなくても大丈夫です。みなさんがこれから大人になるなかで、いつになっても自分の新しい面が見つかっていくはずです。」
自分の特徴である「強みと弱み」を一気に可視化できるという、まさに自分を映し出す鏡のようなサイコロ。定期的に作製して過去のものと見比べるなど、より発展的な使い方もできそうです。
最後に
最後に、社員の方一人ひとりから、今と過去の自分を踏まえた価値観の変化をご紹介いただき、中学生たちのこれからを照らすメッセージで締めくられました。
「リクルートキャリアが伝えたかったことは、人それぞれ、考えているものや見えているものは違うということ。他人と比較せずに、自分の『持ち味』を大切にしてほしいということをお伝えしたくて、今日のワークを企画しました。
感想を聞いたときに何人かの方がおっしゃっていましたけど、自分のことなのに答えるのが難しいということがあったと思います。これは大人も同じです。いつになっても自分の新しい面は見つかるので、今全部出し切ろうとしなくても大丈夫です。これからたくさん見つかると思います。
みなさんにもいつか、働く日が必ず来ます。そのときに自分の『持ち味』を大切にしてほしいと思っています。」
次回は、いよいよ若新さんが実際に学校に訪問しての振り返りワークショップ。デジタルハリウッド大学・杉山知之学長、千葉大学教育学部教授・藤川大祐先生にもオンラインでご登壇いただき、中学生たちの個性を深ぼっていきます。