「個性」を発掘!思春期を解き放て 〜中二インターン×千葉県船橋市立中学校 振り返りワークショップ編①〜

若新さん写真

いよいよ最終日として、若新さんが実際に学校を訪問。さらに、事前ワークショップにもご参加いただいたデジタルハリウッド大学の杉山知之学長、千葉大学教育学部教授であり同学部附属中学校の校長でもある藤川大祐先生にもオンラインでご登壇いただきました。

この日は、これまで取り組んできたインターンで見つめた自分の“ズレ”をヒントに、振り返りワークショップと題して、自分の個性の発掘に取り組みました。好きな自分の個性を言語化し、他人から肩書をつけてもらうことで、その人の個性の輪郭をはっきりさせ、自分ならではの価値や才能に気づいていきました。

若新:新しい取り組みに参加してくれて、ありがとうございます。みなさんは、これまでの4社のインターンで、人と違っていいとか、人を傷つけなければ本音を言ったり考えたり表現したりしてもいいっていうテーマでやってきたと思います。

今日は、「それはいい意味で言うと“個性”なんだ」ってことに気づいてもらえるといいなと思っています。そこで、まずはカードを書いてもらって、個性に気づいたり、それをもっと深掘りしたりするワークショップを行いたいと思います。

前半は、今回のインターンを通して気づいた自分の個性を真っ白なカードに記入し、周りのクラスメイトと見せ合うというワークを行いました。カードの表の左半分に、それぞれが感じた自分の個性を記入していきます。周りの人の内容を見てつられないようにしているのか、みんな無言です。

みんなが一通り書き終えると、藤川先生にご登壇いただき、「中学校と個性」をテーマに若新さんとトークセッションを行いました。

初めに、藤川先生が中学校の“強いところ”と“弱いところ”を整理した上で、中学校と個性の関係について教えてくださいました。

藤川:中学校は、みんながやっておいた方がいいことを全員でやる場所なので、自分だけ違うって思いにくいし、個性が発揮されにくいと思います。でも今回の中二インターンで分かったかと思いますが、楽しそうに働いている大人は、個性をうまく発揮できている人が多いと思うんですね。

こうしたなかで、大人になるにつれて個性を発揮していくためには、中学生の年代の課題である“アイデンティティの確立”について考えてほしいと、藤川先生は言います。

藤川:アイデンティティというのは「自分はいったい何者なのか」ということです。ほかの人と違って自分はこういう人間なんですよ、ということですね。

子どものうちは、自分の存在がどんどん変わってくると思うんですね。中学生や高校生くらいになると自分らしさが見えてきて、大人になる頃には「自分ってこういう人間なんだ」ということを受け入れて生きていく、と言われています。

藤川大祐先生

そして、このアイデンティティ確立のために必要なのが、リフレクション(振り返ること)です。リフレクションは“反射”という意味で、自分の個性を伸ばしていくには、たくさんの人と出会う中で、自分のことを振り返ってよく見ることが大事だと言われています。

藤川:反射する鏡にあたるのが“ほかの人”なんです。中学校生活の中でも、自分と友達を比べて振り返ることはできるし、その意味でもほかの生徒の存在を大事にしてほしい。でも、学校という限られた場で同じ人とだけ過ごしていると、自分を見つけるのにも限界があると思うんですね。

できれば中学生のうちから、自分はいったい何者なのかってことを、親や先生だけではなく、多くの大人と出会いながら確立していけるといいのかなと思います。そうすると、「自分ってこんな人間だと思ってたけど、意外と違ったな」ということがあると思うんですね。あるいは、こんな人になりたいっていう憧れが出てくるかもしれません。これがアイデンティティの確立につながって、自分らしく、楽しく生きていくことができるんじゃないかなと思います。

作成:藤川大祐

藤川先生から「中学校で学ぶ中で、また社会人と接することで、どう自分の個性を見つけるかを考えてほしい」というメッセージをいただいたあと、若新さんとのトークセッションが始まりました。

若新:ありがとうございます。「中学校は完璧ではないから、全部やってもらえるわけではない。それとを分かっておく方が大事」ということですよね。

途中でアイデンティティの確立”っていう言葉が出てきたじゃないですか。自分のことについて気になりすぎたり、それまで考える必要がなかったことを考えるようになっちゃうことを、僕は「中二病だ」って言ってるんです。つまり、中二病は「自分とは何者か」ってことを、大人になるにつれて考えていくために必要だってことですよね。

藤川:中二病といっても正常な発達の過程であって、健康だからこその悩みなんですよね。それを1人で悶々と考えても、何かが見えるとは限りません。

若新:高校では来年から“総合的な探究の時間”が始まって、授業以外に地元の人としゃベってみようっていう機会が増えますよね。そのとき、その人たちがしゃべっていることを聞いて学ぶのもいいけど、話しかけてどんな反応が返ってくるかの方がより大事だってことですよね。自分の親や学校の先生とは違う反応をする人がいるかもしれないけど、それによって自分の個性がまとまったり、悩みが解決したりするかもしれないってことですね。

藤川:そうですね。そうすると新たな自分が見えてきて、逆に悩みが深まるというか、新たな局面に行くかもしれませんけれども、それは自分が進化しているということなので大丈夫です。なんでも実験なので、いままで話したことのないタイプの人と話したら何が起こるか、試してほしいですね。

後半は、デジタルハリウッド大学の杉山知之学長にもご登壇いただき、クラスメイトと互いの“肩書”を考える、個性を深掘りするワークに取り組みます。

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